anticapの日記

とある氷河期世代の海外就職、国際結婚、政治観

タックスヘイブンと世襲社会~パナマ文書問題~

今回は格差の原因について。

格差自体が悪い事かどうかは僕にはわかりませんが、現在のような過剰な格差は今を生きる世代にとっては大きな弊害となっていると僕は感じています。

幸い僕はある程度資産を持っていた家庭に産まれたため、社会にでるまでは特に日本社会に不満はありませんでしたし、ある程度日本社会からドロップアウトした経験を得る事ができていたのは両親のお陰だと思っています。

しかし、そのドロップアウトしていた時間で様々な世界をみる事ができ、また一部ですが実際に体験する事が出来たため、世界の不公平さや経済弱者の傷みが少しながらもわかるようになってきました。近年のアスリートを見れば一目瞭然ですが、現代社会のキャリア形成も結局は教育に金をかけられる層が圧倒的に優位です。アスリートのが遺伝的な要素が強いためまだ平等かも知れません。

ではこの格差いつから発生したのでしょうか?人類の歴史において格差が発生したのは人類が農業を始めてからと言われています。それは農業によって始めて食糧が蓄積できるようになったためで、やがてはより良い農地=土地という資産概念がうまれ、やがてそれは階級社会をうみ大きな格差となっていきました。資産は階級をうみ、資産を持つものが優位にたつため世襲をすればするほど、一部にその資産は蓄積されていきました。

つまり格差の原因が蓄積によるものであれば、それを改善すればなくなるのでは?と思うでしょう。しかしながら、グローバル化しはじめた現在では貨幣の発達により、土地に縛られず資産を蓄積できるようになりました。なので、世界大戦があった時に西洋諸国から、スペイン、ポルトガル、イギリスの植民地から独立しはじめた南米諸国に移住したのはいい例でしょう。

彼らとっては言語もにていますし、もともと西側諸国の植民地であったためスペイン系やその混血が経済の重要なポストに多くのおり西洋的な経済概念も既にあったため、西側諸国の資産=金に価値をつけて貰える点で都合が良かったのだと思います。大戦中はかなりの累進課税をした国もあったため、ある意味で当時のタックスヘイブンとも言えるでしょう

脱線してしまいましたが、資産が土地に縛られなくなったため、それまでは国単位の税制などである程度の公平さを保とうとしていたそれぞれの社会も、資産を海外に移せるため、公平を保つための税というシステムが機能しずらくなりました。それが現在であり、そこに隙間を見つけビジネスにしているのが今回問題となっているパナマ文書及びタックスヘイブンと言われる小さな国々です。また、一般層が容易に資産を蓄積できる環境になると、富裕層にとって自分達のポジションの付加価値がへり、また新たなライバルが出現し彼らにとってのポジションを脅かしかねないので現行の富裕層同士は結託して潰していく流れになります。

世界はこの問題に対して何かしらの対策を練るのでしょうが、僕はこのままアメリカが日本に推進していた資本主義とやらをとりいれるなら、健全に回すためにはこの資産の蓄積に大して幾つかの制限をする必要があると思います。

これは資本主義の根の部分を否定する事になりかねますが、非常に高いレベルで相続税をとり、また世襲に対しても高いレベルで税を取ることです。それを世界で同調して行い、罰則があればその資産を没収します。これであれば世代を超えての資産の蓄積が出来なくなりますから、子孫に資産を残すメリットがなくなり市場に金が出回り続けます。土地においても不動産のメリットが少なくなるためサラリーに対する家賃などはやすくなります。持ち家も増えるでしょうし、日本の空きや問題も解決です。

また蓄積に回っていた生産性の無くなった金がまわるため、経済は活性化され、その分を社会保障にも当てることができ弱者は救われ階級もミドルレンジに落ち着きます。会社単位で選挙をして民主主義に基づいて選ばれた優秀な人物を取締役の座につかせれば、優秀なもの同士での競争になり、技術力も躍進します。何より物を作り続けなけれならない資本主義において、市場に常に金が回るため大量生産、大量消費を続けられます。今以上にゴミの山が増えそうですが…

こう書くとメリットばかりのようですが、きっとデメリットもあるでしょうし書いててなんだか社会主義みたいな感じもしてきました。社会主義は結局は世界が同調しないと出来ないシステムで、今の人類の精神レベルではまだ夢物語ですしね。現行の社会もエネルギーの関係からすると未来の人類分の資産を前借りしちゃってるもんですから

しかしながら、資産の蓄積を制限することで発生する経済的影響は計り知れないものになりそうですが、考えればすぐわかるような蓄積による弊害を残したままであるのは結局は資本主義も、一部が都合のいいように作られたねずみ講みたいなシステムと言えるのかもしれませんね。

なんにせよ、世界は現在の課題であるタックスヘイブンに対しての早急な対策をとり、やがてこの蓄積による弊害にまで目向けられるようになればと思います。