anticapの日記

とある氷河期世代の海外就職、国際結婚、政治観

割に合わない日本の社会

今回のパナマ文書問題で長年疑問に感じていた日本の生活についての一部の疑問がようやく晴れようとしています。結論から言うとそれは日本の労働の対価に対しての住みにくさなのですが、一言でいうとわりにあわない社会。そう感じた理由を順を追って説明したいと思います。

僕は日本の他にある先進国、途上国で生活していた事があります。僕がいた先進国のポジションにある国での一般的な生活は税が高いため以外にも日本よりも質素だった気がします。逆に途上国は税は安かったもののサラリーも安く、貧富の差が激しいため生まれたポジションによって同じ国の中にいくつかの国があるような感じでした。

僕がいた先進国はサラリーに比べて食費は食材が安いため自炊さえしていれば安くあがるのですが、家賃は使用できる面積を考えれば日本よりは安いのも知れませんが、サラリーを考えるとイメージするよりはずっと高かったですし、光熱費も想像していたよりも取られました。ただネット回線は安かった気がします。フリーのwi-fiエリアも多かったと思います。

生活に係わるものは税が比較的安くなっているとは感じましたが、贅沢するといつのまにか金欠になるくらい税が高く外食とか無駄な買い物はしませんでした。

しかし、社会保障は日本とはレベルが違いましたし、貧富の差は後にいった途上国ほどなく、限られた一部の富裕層以外は真ん中にピントを合わせた政治であったような気がします。ただ社会保障がよいからか病院とか理不尽に待たされるし、やたらと公務員の数も多く(サラリーはあまりよくなく、将来公務員になりたいという夢を持つ子供は皆無でした)仕事ぶりもどこか適当な気がしました。しかし最低賃金が高いので国に帰るまで質素に暮らしつつ適当に仕事してるだけで貯金ができてしまいました。ただ、日本のがインフラ整備を含めて断然便利でした。

次に僕がいた途上国についてですが、社会保障は日本と比べても思っていたよりは充実していたものの、インフラが整備されていないのでとてつもなく不便です。日本から何か送ってもらっても凄い時間はかかるし、届かないなんて事もざらにありました。サラリーは日本人である僕は現地人よりも良いためあまり参考にはなりませんが、最低賃金はただ生きるのみという金額でした。家賃は本当にピンキリでしたがサラリーを考えると妥当かそれより高いと感じました。治安は悪く、日本人である僕は狙われ安いため夜間の外出はご法度でした。

こう書くと途上国って何もいいところがなさそうですが、なれてくるとのんびりしたところや先進国以上に適当なところなどが楽しくなり正直帰る気がなくなってました。頑張る人は頑張るのですが、そうじゃない人も沢山。時間にもルーズですが、職はなくとも引きこもらず恋人がいたりして個人単位では楽しそうでした。金はないけど時間はあるため、皆それぞれマイペースでやりたいようにやる人が多いようでしたし組織的に動ける人材は少なさそうでしたが、自分たちに不利となる悪政に対してはすぐに一致団結し行為に移すなど自分のペースで生きようとする様は賢ささえ感じました。

それでは日本に振り替えって見ます。日本は欧米と比べてしまうと人権などのレベルでは先進国とは言えませんし、経済レベルでもひとり当たりの生産性を考えるとギリギリ先進国という感じです。時給に考えると下手な途上国以下になりそうな勢いでしょう。サービス残業なども問題になっていますしね

税金に関してもかなり高く、社会保障で戻ってくる分を考慮するとかなり割高と感じます。

労働時間に関しては、ランキング状ではそこまで長くは無いようですが、日本は男女差別がないとはまだ言えず欧米に比べてパートが多く、サービス残業が横行しているためフルタイムの仕事に関してはトップクラスだと感じています。そういえばランキングでは一位の韓国の友人にすら日本人は働き過ぎと言われた事がありました。

こう考えると日本人の生産性って異常に低くないかと思われると思います。僕もそう感じていました。海外ではceoのポジションのサラリーは桁が違いますし、先進国ではバイトだって日本の下手な正社員の給与を越えます。

果たして日本人ってそんなに要領が悪いのでしょうか?若い世代は馬車馬のように頑張って働いても家や車はおろか、子供でさえ持つことが難しくなっています。先進国でも若い世代は似た状況ですが社会保障のレベルが違うため日本レベルの少子化に陥る前に既に脱出しています。

経済成長率を見れば一目瞭然ですが、先進国と呼ばれる日本はなぜここまで衰退していくのでしょう?

この疑問、もしかしたらパナマ文書のような富裕層と大企業の脱税行為が原因であったなら…経済を回すための財布がどこかで抜き去られていたなら…衰退していく原因がわかる気がします。パナマ文書が本当であれば金額的にはないことではないと思わせる数字です。

つまり、日本の若い世代の多くは先進国とはいえない労働環境で途上国ですらありえなかったサービス残業を半ば強制されながら、途上国の人々にあった恋愛などにさく時間もなく、それでいて先進国の最低賃金にも遥かに満たない給与で先進国並みに高い税金をとられ、先進国と比べ物にならない低いレベルの社会保障のなかで懸命に働いても家や車はおろか子供、いや家族さえももつ事が難しかったのは自己責任ではなく、この脱税行為が原因だとするなら彼らの富裕層と大企業の罪は非常に重いものであると僕は感じます。

この件に怒りを感じるならば決してその怒りの炎を絶やしてはならないと思います。それはいつか他の炎と一緒になりやがては消せない業火となってその役割を果たすでしょうから。