anticapの日記

とある氷河期世代の海外就職、国際結婚、政治観

パナマ文書問題と資本主義

今回はパナマ文書問題と資本主義について。

パナマ文書問題の詳細については過去のブログを参照にしていただればと思いますが、この問題で今まであやふやだった富裕層の資産隠しの一部が表社会にでた事で、世界じゅうの多くの人々が現行の資産主義社会に疑問を持ち始めた事と思います。

そして私達多くの層の置かれている立場、現状を認識したと共に実質は階級社会にあった事に気付き、右や左、正規、非正規、生活保護などで分かれ争っていた人々もようやく本来目を向けるべき相手に気付きはじめてくれた事と私は期待しています。

しかしながら、今回の件で僕が驚いているのは富裕層のインチキではなく、この日本の腐敗度です。現在国内のどこのマスコミもこの件を報道しませんし、したとしても海外で起こっている対岸の火事くらいにしか報道をしていません。それだけでなく、この件に積極的に言及していく政党も今のところありません。

つまりは、日本はこのパナマ文書に書いてあった企業、人物のコントロールできる範囲内にあると言うことです。もはや日本の腐敗レベルは海外生活でみていた途上国のレベルに等しいのかもしれません。それらの国の若い世代はそれに対して戦っていましたが。

幸いながら若い世代はネット社会に慣れているでしょうし、中国のようにネットに規制をかけてはいませんから、政治に関心さえあれば自分達で情報を得る事はできるでしょう。しかしながら、日本で人口的にも経済的にも影響力のある中~高齢層は未だにテレビ、新聞などの旧メディア媒体を使う事がおおいので、少子高齢化の日本ではパナマ文書と政府に疑問をもった層は残念ながらマイノリティとなる可能性が高いでしょう。

国をまともな状況に戻すための重要なキーは若い世代は勿論として人口比からいって氷河期世代であると僕は感じます。僕もこの世代ですが、政治によって煮え湯を飲まされ続けていた世代なので国への反感が強い人達も多いでしょう。

僕は馬鹿馬鹿しくなって海外で就職していたので長い期間過酷な労働条件に置かれた事もありませんし、短期間でも悪い会社に対しては裁判を行い決して泣き寝入りをしないようにしていたためそこまで悔しい思いはしていません。しかし同世代の友人、知人は悔しい思いをしているケースがあまりに多いです。僕の同級生では自殺してしまった人さえいます。

その世代は自己責任とされこれといった支援もなく、国の将来ために相次ぐ増税や年金への理不尽ともいえる不安に20年近く我慢していたところにこの問題ですから計り知れない怒りを感じているでしょう。ここでまた泣き寝入りするかしないかで国の将来は大きく決まると思います。

しかしながら、そもそもなぜこのような事態になってしまったのでしょうか。
過去の歴史を見ればわかるように人類は一部の層の繁栄、衰退、そしてまた他に代頭する一部の層の繁栄、衰退を繰り返しています。

資本主義にスポットをあて現代当てはめて簡単に説明すると資本主義が頭角をあらわしたのは産業革命の後であり世界人口が爆発的に増える時期でした。大量にものが作れるようになった時期ですし、成長要素も多いわけですから資本主義は謳歌を極めます。

この時も勿論一部のとんでもない富裕層は存在していますが、過去のように資産が資産を産んでいた割合に労働によって産まれる資産が近づいていた時期でもあります。奇しくも西洋は戦争をはじめてしまったため、それに参加をしなかったアメリカはまだ幼く成長要素が多かったため資本主義によりチャンスを掴む事ができ、労働によって産まれる資産も多かったため富裕層にあがるケースも多く見られました。

アメリカンドリームなんて言葉もこの時にでてきましたね。その後、資本主義は他の成長要素のある国を発展させることで発生するマージンを求めて欧米から世界に広がりました(こう書くとなんかネズミ講みたいですね)

しかし時はたち、資産が一部に偏ったことでまた資産が資産を産む割合が時代を重ねる事に増えていきました。皮肉な事にそれを危惧して日本の財閥を解体させたアメリカでさえ。

そうすると資産が資産を産む訳ですから、労働で得る資産しかない層との差は広がる一方です。過去の歴史を繰り返さないために格差拡大を避けようと国が資産に対して多くの税をとろうとすると資産家は他国に逃れる姿勢をみせます。しょうがないので彼らの顔色を伺って税率を決めました。

しかし資本家は官僚、大企業経営層などエリート層を抱き込み資産隠しや収入さえも隠すことにしました。彼らの顔色を伺っていた政府は、彼らの数字を信じ国の収入のため一般国民層からの税率をあげました。国民は疑問を抱きつつも家族のため働き税を納めました‥

とこんな感じですが、今回はパナマ文書が発覚して資本家の実態の一部が漏れ、それが表舞台にたったのでした。
日本の場合は政治家でさえグルだった可能性が高いですね。世襲に次ぐ世襲ですから当然といえば当然ですが。自分で築いた資産でもないのに良く偉そうに色々語れるなと他の意味で感心しています。

僕は資産主義者でも社会主義者でも共産主義者でもありませんが、現行の主義に対して一つのアイデアがあります。それは金融システムなどに流されず、本当に意義のある労働に対して、きちんと価値をつけて対価払う事と富裕層の資産的な海外脱出を避けるための世界的な法整備です。面白い事に海外に資産を移す事が難しかった戦時中の西洋では累進課税が80%近くなった国もあります。

僕は昔から外で汗をかいて働いている大工さんや、厨房で暑いなか鍋を振り続けているシェフなどをみて、彼らのサラリーよりも一等地の建物の家賃収入のほうが高い事に疑問をもっていました。勿論今もそんな建物の価値より素敵な家を建てられる大工さんや、美味しいものを作り人々を笑顔にできるシェフ、安定して食べ物を配給してくれる農家さんのほうがよっぽど価値があると感じています。

前にも書きましたが、貨幣はただの紙でその価値を決めるのは我々なのです。何が本当に大事なことなのかもう一度考えないといけませんね。



まだブログを書き始めたばかりですが、かなり数の方に見てもらいまして驚いております。いつもありがとうございます。まだまだブログの使い方について勉強中ですが宜しくお願いします。